[TOX] テイルズオブエクシリア レビュー(クリア編)

とりあえずジュード編だけクリアしました。

テイルズオブエクシリア
対応機種:PlayStation 3
CERO年齢区分:B
ジャンル: RPG
発売日:2011年9月8日
希望小売価格:8,379円(税込)
プレイ人数 : 1人

テイルズ オブ エクシリア | バンダイナムコゲームス公式サイト
『テイルズ オブ エクシリア』公式サイト

ジュード編の他にミラ編というのもあるのだけど、1周目クリアはクリアということで。

ストーリー

評価 B

ミラ編はまだ道半ばなんですが、ストーリーの本筋自体はジュード編もミラ編も同じだろうという前提での評価になります。

精霊と人間の共生ということがテーマ、で良いのか。なるべくネタバレは避けるけど、第1世界と第2世界的なよくある設定はこのTOXにもあって、ジュードやミラが住んでいる世界の外にも何かがあり、そちら側からの干渉が世界に歪を生んでいると。この設定自体は良いんだけど、その外の世界に出てからのストーリーの発展が物足りない。あと、展開が予想通り過ぎるというのもあり、終わってみれば、わりと軽めのRPGという印象でした。

何というか、話の節々にこれはこういうことじゃないか?と思わせるような伏線的な振りがあったりするんだけど、その結論が最後まではっきり明かされないのも消化不良。例えば、ジュードの親父さんは、何となくエレン○○○人じゃないかと予想できるんだけど、実はそうだったんだ!的は展開は最後までついになかった。(実は私がそういうサブイベント取り逃したか?)

これに限らず、イバル結局どこいっちゃた?とか、クルスニクって結局誰?とか、その末裔の話の真実は?とか、未回収で放置な伏線が多く、何かちょっと尻切れトンボな感じがありましたね。

グラフィック

評価 A

グラフィックは素晴らしいです。アニメ3Dで極めた感じ。あと、今までテイルズは固定視点だったんだけど、TOXは視点移動が自由になっていたので、これも良し。今後のテイルズは自由視点になるのかな。宝箱やトレジャーなんかが視点移動を駆使しないと見つけにくいところにあったりもするけど、固定視点で見えないところに置いてあったりするよりこっちのが大分マシです。

ただ、今回ちょっと残念だったのが、画面左上に常時ミニマップが貼り付いていること。しかもこれが「ミニ」というにはでかい。せっかくキレイなフィールドや街並みも、このミニじゃないミニマップが一部隠してしまっててちょっと残念な感じに。これ、ON、OFFはできても良いんじゃないかと思った。

サウンド

評価 A

テイルズの定番って感じの曲はありつつ、今回ちょっと和風な曲が存在感あった印象。リーゼ・マクシアの信仰が日本の精霊信仰に近いものにインスピレーションされてるってことからきてるのかな。ミラが祀られてるってのも神社っぽいしね。

そういえば、イルファン以外の世界は何となく東洋っぽい文化を持つ国という感じだったかも。曲もそれにあわせた感じかもしれない。

バトル

評価 A

基本的にTOA以来の3D版LMBSですね。で、TODやTOGで採用されてた私の好きなシステムであるチェインキャパ(CC)がTOXにも引き継がれていた。TOXではアサルトカウンタ(AC)という名前ですが、基本的な考え方はCCと同じですね。これは私の好きなシステム。

あと、今回新しい要素は、仲間とリンクすることで連携サポートが受けられ、術、技を連携技として繰り出せる。これは結構楽しい。さらに、今回からバトル中にメンバチェンジも可能。急にボス戦になって、あーこのメンツじゃいかん!ということもなくなったし、全滅のリスクも激減。そういえば、今回一度も全滅しなかったですね。完勝。てか、それは私がレベル上げ過ぎだったのかもしれないけど。何せレベル99でクリアしたんで。(おかげでラスボス余裕過ぎて物足りなかった)

キャラごとに特殊な戦い方もできるし、自キャラにするかサポートに回すかで挙動も違うので、今回のバトルはいろんなバリエーションが楽しめました。もちろん、テイルズ定番の派手な秘奥義は今回も健在で、決まると爽快感もありました。

キャラクター

評価 A

メインキャラは6人。主人公は今回2人ですが、どちらかというとジュードの方がプレイヤー視点に近いかな。ジュードは医学生だけど、格闘の心得がある。これがその風貌に似合わず結構強いし扱いやすいです。性格は、医学生ということで(?)冷静なところもあれば、妙に感情的になる部分もあり、情緒不安定って感じか。あと、あからさまに年上好み。

ミラですが、こちらは主人公といいつつも、あまり感情移入できないというか、何か孤高、崇高な印象。実際、作中でもそうなんですがね。自分の信念に忠実なのか、忠実であろうと努力しているのか、最初からどうもつかみどころがない人物像なんですが、歳の割りに無垢という感じがする。世間知らずというか。バトルでは剣使いなんだけど、使ってみると剣というより魔法(魔技)を組み合わせて戦うタイプだった。剣も振るけどね。もともと精霊使いということか。ミラは、自キャラとして扱うにはちょっとクセがあって、少し慣れが必要かもしれない。

アルヴィンは、何かと裏がありそうな怪しいおっさん。ただ、実はこのアルヴィンが、パーティキャラの中では一番プレイヤーに近い位置にいるかもしれない。この意味するところは話が進むとわかる。銃器が使えるので遠距離攻撃が得意なのかと思いきや、片方の手に大剣持ってて近接攻撃中心とか意表を突くスタイル。動きもマッタリしてる感じ。

エリーゼは、引っ込み思案でおどおどしてる感じ。実は腹黒という性格がティポを通してわかってくるけど、それでも憎めないのはその可愛さゆえか。てか、ティポの正体がわかって以降「それを自分で言うな」と突っ込みたくなること多々です。バトル面では高性能なヒーラーですね。タフなバトルでも彼女を後ろに控えさせておけばまず死なない。あと闇系統の攻撃も地味に強い。まさに小悪魔。

ローエンは気さくな爺さん。指揮者の異名もあり何か音楽に精通してるかのようだけど、実はフリだけの似非音楽家という胡散臭さも抜群。このジジイは細剣を振るしナイフも投げるので、忍者っぽい動きをするのかと思いきや、実は主に魔法使い。遠くから精霊術での攻撃が中心になる。

最後にパーティに加わるのがレイア。レイアはジュードの幼馴染みで、明らかにジュードに片思い。パーティについてくる主な理由はおそらくそれ。レイアも格闘家だけど、ジュードが拳なのに対し、彼女は棍。棒でせっかん。あと手癖が悪いので、素材稼ぎでは大活躍してくれます。

今回のキャラも全員個性的。ただ、主人公であるジュードとミラの性格がアレなので、好きになれるかどうかはプレイヤーによって分かれそう。ちなみに今回のキャラデザは、シリーズ初、藤島氏といのまた氏の両者が手がけてますね。

ゲームシステム

評価 B

今回の成長システムはリリアルオーブというやつですが、これはレベルアップでGPというポイントを獲得し、それをリリアルオーブという盤面で好きに振っていくという自分で成長をある程度カスタマイズできるタイプですね。こういうポイントを振っていく成長システムは、最近のRPGでは結構メジャーになってきてるので、これもそんなに違和感なく使えるシステムかなと。ちなみに、最初は成長のさせ方をある程度選択できるけど、最後まで成長させると、結局全部極められる形になってる。なので、プレイヤーによって個性が出るのは最初だけですね。

あと、今回ショップが全国共通になってる。つまり、どの街でも、道具屋、武器屋、防具屋、装飾品屋で、それぞれ売り物は全く同じです。これは、あれどこで売ってたっけ?ということがないので、そのへんは忘れっぽい私には非常に助かる。で、その売り物はショップ開発によって増やしていけるけど、開発といってもやることは単純で、ショップに素材アイテムをガンガン納品していけば良いだけ。手の込んだRPGでよくあるアイテム合成的なものはないので、あまり考え込むことなくショップ成長させて、強力な、或いは有用なアイテムを獲得できるようになる。

とにかくTOXのシステムは、リアルさよりも便利さが求められている感じで、最近のRPGの中ではかなり理解しやすいと感じました。ただ、バトルがちょっと複雑というか、操作が増えてる感じだけど、それ以外のシステムはそれほど手をかけないようなイメージ。

あと、テイルズ定番の紙芝居会話であるスキット(フェイスチャット)に加えて、直接フィールド上で会話を始める簡易チャットがありますね。今作はシステムをメタ的にシンプルにしている分、この会話システムで雰囲気を盛り上げる効果をつけてるのかなと。

ちなみに、今回グレードの最大点数が決まってるみたいなので、2周目の引継ぎでかなり迷うけど、魔装具(500)を引き継げば、レベル(全部で5000、半分で2000)は引き継ぐ必要ないですね。中盤まで、ボス含めほぼみんな瞬殺です。もっとも、隠しダンジョンをクリアしていることが前提ですが。で、その隠しダンジョンをクリアするほど成長してるってことは敵の撃破数もかなりのはずなので、魔装具はかなり強いはず。

操作性はほとんど問題なし。カメラ移動が自由になったのも、従来からの改良点ですね。目立ったバグもないし(というか私は遭遇しなかった)最初から最後まで安定してプレイに集中できました。あと、クイックセーブとロードは良いですね。やってて眠くなったときの中断にも便利デス。

総評

評価 B

絵もきれいだし、いろいろ新しいシステムも組み入れられていて、それらがちゃんと有効に機能していたので、ゲームとしての完成度は高いと思いました。

ただ、ストーリーですね。何か足りない。前評判ではクリアまでの総プレイ時間は50時間とかわれてたけど、やってみたら、ボリューム的にTOVよりもちょっと少ない感じ。TOAやTOGの方がよっぽど壮大だった気がする。実は50時間というのはジュード編とミラ編両方で、ってことか?私はまだジュード編しかクリアしてませんが、それでもミラ編も中盤くらいまでやってみて、ストーリーそのものはどちらもほとんど変わらないんですよね。視点は違いますが。今後の展開もラスボスも変わらないだろうし、ストーリーもジュード編以上には広がらないだろうと予想できる。

何が納得いかないって、リーゼ・マクシアの外であるエレン○○○の方が世界としてはおそらく広いだろうと予想されるのに、そちらにきてしまったら、あとはラスボス目指すだけの展開になってしまうというところ。これ、もうちょっと謎解き冒険できても良かったんじゃないか。

あと、本編外のオマケ要素もほとんどない。従来のシリーズには、ねこにんとか、かめにんとか、ナムコ島とか、あと闘技場に過去シリーズのキャラが出てきたりとか、何か世界を俯瞰したような遊びがあったのに、TOXには一切ない。本編ではないサブイベントや隠しダンジョン(クリア後出現)とかはあるにはありますけどね。

何というか、遊園地やカジノ的なものといえば良いのか。(まぁ本来、RPGがそんなところで勝負すべきではないですが)オマケはいいとしても、肝心の本編がどうも話の途中で終わった感が強いのですよ。これ、ミラ編も全部やったら、また違った印象になるのかな。今やってますけどね。それでまた印象が変われば補足を書きます。

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